高校生理科研究発表会
Event

第5回 高校生理科研究発表会 講演内容

題目 「Intel ISEF 2011(Los Angeles)」
講演者 中島 康 先生
内容

 早稲田大学理工学部応用物理学科卒業後、同大学院で分子生物物理学を専攻し、理学博士を取りました。その後、埼玉医科大学・南アラバマ大学などで助手を務め、1998年に早稲田大学高等学院教諭となって現在に至っています。

 過去の研究テーマは、生体運動器官の発生的起源、生体物質の化学反応に関するコンピュータ解析でした。現在は、宗教の持っている様々な技法が心身に及ぼす影響について個人的に興味があります。自分が卒業論文を担当している生徒の多くが、自分自身の身体や感覚・心理に興味を持っていたので、5年前に人間の生理・心理の変化を研究するプロジェクト「環境と人間」を立ち上げ、生徒の課題研究をサポートしています。

 Intel ISEFは世界各国から1000グループ以上の高校生が参加する科学研究コンテストですが、今年はロサンゼルスで行われました。今回の講演では、生徒の視点から、このサイエンス・フェアの楽しさを伝えられればと思っています。

題目 「高校生による理科研究の意義」
講演者 柴田 恭幸さん
内容

 千葉県立船橋高等学校在学中に、日本学生科学賞に出展し、43回、45回大会にて、内閣総理大臣賞を受賞、2000年、2002年Intel ISEFに出場。2002年大会では、物理学部門4等賞受賞。同校卒業後、筑波大学第一学群自然学類(現:理工学群物理学類)に進学、卒業後、同大学院数理物質科学研究科に進学。現在、博士後期課程3年次在学中(専攻は物性物理学)。また、2010年4月より、独立行政法人日本学術振興会特別研究員(DC2)に採用され、研究を行っています。

 Intel ISEF出場時の研究テーマは、「火花放電による無線操縦の研究」、「磁場中における化学反応に伴う溶液の回転運動に関する研究」です。現在の研究テーマは、「シアノ錯体界面を通じての電圧誘起物質移動とそれを用いた機能性開拓」であり、高校化学にも出てくるプルシアンブルーの類似錯体(シアノ錯体)を薄膜化し、それらを物理的に接合して作成した電解質溶液を使わない全固体素子について、電圧を印加することで誘起される、シアノ錯体膜間を移動するイオン移動についての電気特性等の研究を行っています。

 また、大学在学中に、Intel ISEFOB/OGを中心としてNPO法人日本サイエンスサービス(NSS)を立ち上げ、科学振興をする(夏休みに自由研究イベントの実施等)と同時に、小中高生の自由研究・課題研究の応援等を行っています。NSSでは、イベントの企画・運営、また、広報としてウェブサイトの管理および、Intel ISEFの引率・取材などを主に請け負っています。

 今回の講演では、高校時代に研究を行ってきたこと、そしてそれが現在研究をする上でどのように役に立っているのかということの実体験を、また、NSSを通してみてきた理科研究を行ってきた高校生がどのようにそれらの経験を大学進学、そして、社会人になってから生かしているのか。ということを伝えられればと思っています。

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