千葉大学|高大連携企画室

 

     
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千葉理数教育高大連携ニュース NO.32(2010.5.19)

【1】今春の物理入試問題についての懇談会のお知らせ
【2】第13回数理科学コンクールのお知らせ
【3】「高校生理科研究発表会」の講演は丸 幸弘氏に
【トピックス】有機化合物の電子の流れやすさを世界で初めて測定
       (石井 久夫 教授にインタビュー)
【編集後記】

 

【1】今春の物理入試問題についての懇談会のお知らせ
 物理入試問題について、高校と大学間で問題点等を話し合うための懇談会で、日本物理教育学会などが
主催し、今年で19回目になります。
 日程・会場等は以下の通り。みなさんお誘い合わせの上どうぞご参加ください。

    日 時  5月29日(土)13:45〜17:30
    場 所  東京大学駒場キャンパス16号館?119室
         (京王井の頭線 駒場東大前下車)
    参加費  1000円
  対象大学  青山学院大 慶應義塾大 工学院大  上智大   中央大(予定)
          早稲田大  千葉大   電気通信大 東京工業大
          東京大   東京農工大 横浜国立大 首都大東京

 
 

【2】第13回数理科学コンクールのお知らせ
 日本にとどまらず世界の科学と技術の先端を担う若者の才能を発掘し、育成するために千葉大学
先進科学センターが創設した「数理科学コンクール」が今年13回目の開催となります。
 内容は「課題の部」と「ロボットの部」に分かれ、「課題の部」が7月18日、「ロボットの部」が7月
17日と18日に行われます。いずれも個人の部とグループの部(3名以内)があります。
<課題の部>
  物理、数学、情報の分野から、本質に根ざした考えて楽しい課題を提供します。その中から選択
 して解答時間は6時間、途中で昼食、飲み物など自由に取りながらじっくり考えてもらいます。ノー
 ト、参考書の持ち込みも可です。
<ロボットの部>
  バンダイロボット研究所の通信、映像、音声機能を持つロボット Net Tanserを用いて行います。
 1日目にプログラムの作成方法を学び、2日目に課題に沿ったオリジナルのプログラムを考案し動
 作させてもらいます。評価は初心者、経験者、エキスパート部門に分けて行います。
  以上、申し込み方法など詳しくは高大連携企画室HPをご覧ください。
             http://koudai.cfs.chiba-u.ac.jp

 
 

【3】「高校生理科研究発表会」の講演は丸 幸弘氏に
 今年第4回を迎える当企画室主催の「高校生理科研究発表会」。
  毎年審査発表までの時間を利用して講演会を行っていますが、今年は「株式会社リバネス」代表
取締役の丸 幸弘氏にお願いしました。
  「リバネス」は、世界初の「バイオ教育企業」として2002年丸氏たち理工系大学院生によって創業
され、これまで400回以上の出前授業を全国の小中高校で行うなど、おもに科学技術をわかりやす
く伝える活動に取り組んできました。
 そして最近は「バイオ教育のリバネスから最先端科学のリバネスへ」をスローガンに、バイオ・環
境 ・アグリ・ナノテク・宇宙の5つを重点領域と位置づけ、研究開発も視野に入れた事業展開を行っ
ている新進気鋭の若者たちによるベンチャー企業です。

<丸 幸弘氏の生い立ちから紹介します。>
  1978年横浜市に生まれ、3歳で千葉市に移る。5歳から小3までシンガポールで暮らし、市立大
 宮中卒業。市立千葉高時代はバスケとバンドに熱中。
  東京薬科大に進学し生命科学への関心を深め、2001年東大大学院農学生命科学研究科に入
 学。その年の5月、ビジネスと教育にも強く惹かれ、理工系ビジネス団体BLSを立ち上げ、年末に
 は「リバネス」創業に至る。
  2004年からは「株式会社リバネス」代表取締役に就任。
  2005年の愛知万博では、講演「知って役立つ科学のチカラ」が好評を博す。2006年東大大学院
 修了。農学博士。現在リバネスの代表取締役を務めながらその他8社の設立に関わり役員を務め
 る。
  「草食系」とか言って、挑戦を嫌い自分の枠に閉じこもりがちな若者が多い昨今、常に未来を見
 据え、世界に通用する21世紀型企業の創出に打って出る丸氏は、きっと高校生たちに勇気百倍
 のワクワクするお話をしてくれることでしょう。

 
 

【トピックス】有機化合物の電子の流れやすさを世界で初めて測定
       (千葉大院融合科学研究科 石井久夫教授にインタビュー)

  先月、新聞各紙で話題になった、千葉大院の上野信雄・石井久夫両教授による有機半導体に関する研
究成果について、石井教授にインタビューしました。

    Q:まず今回の研究の意味について、その背景から説明してください。
    石井:エレクトロニクス分野では、ケイ素を中心とした無機半導体に代わって近年、有機半導体が脚光を
    浴びています。有機半導体は低温で作れるので環境負荷が少なく、省エネルギー性に優れ、形も自
    由自在というわけで利点が大きい。とくに有機ELディスプレイは2016年には市場規模が7000億円と
    予想されるなど急成長の新産業です。ところが、このように実用化は先行しているものの、ある種の
    有機物がなぜ電気を通すのか、どんな構造が電気を通しやすいのか、など詳しいことはまだわかっ
    ていないのが現状です。
    Q:そこで上野・石井チームの登場ですね。有機化合物中の電子の動きやすさ(有効質量)の測定に成
    功したそうですね。
    石井:そうです。ある有機化合物がなぜ電気を通すのかなど、謎を解明するには化合物内の電子の挙動
    を測定できなければなりません。私たちは、ベンゼン環8個からなるルブレンという有機化合物に紫外
    線を当て、飛び出てくる電子の速度と方向から、化合物内の電子の重さ(有効質量)を測定することに
    成功しました。世界で初めての測定です。
    Q:それまではどうして測定できなかったのですか。
    石井:電子が飛び出せば、化合物は当然プラスに帯電します。そうすると電子はもう飛び出せなくなる。
    私たちはレーザーを使うことにより、この帯電を除去する方法を発見したのです。
    Q:すごいですね。測定結果からどんなことがわかったのですか?
    石井:ルブレン中の電子の方が真空中の電子よりも軽いという意外な結果でした。分子が電子の動きを
    妨げず、逆に助けているという事実が明らかになったのです。すなわち無機物と同じく、バンド伝導と
    いう現象が有機物でも起こっていることがわかりました。
    Q:画期的な発見ですね。この発見は今後どのように生かされますか?
    石井:様々な有機化合物について測定することによって、有機半導体中を電気が流れるメカニズムが解
    明されるでしょう。そうすれば逆に電気をよりたくさん流せる分子構造の設計開発が可能になります。
    有機エレクトロニクスがいっそう進歩するためには、何よりも伝導度の高い分子を創り出すことが先決
    なのですから。
    Q:たいへん夢のあるお話をありがとうございました。こういう分野に高校生たちがもっともっと興味を持て
    るよう私たちも努力したいと思います。

 
 

【編集後記】
 18日(火)県立船橋高校の理数科2年生40名に「科学的研究を進めるための心構え」というテー
マで出張授業をしてきました。
 安房高校7年間の化学部指導を例に「どうしたら優れた発見ができるか」を中心に実験を交えてお
話をしたのですが、さすがにSSH高です。終始真剣なまなざしで聞き入り、笑うべきところはしっか
り笑ってくれて嬉しいひとときでした。終了後も5,6人の生徒からかなり的を射た熱心な質問を受け、久しぶりに授業の楽しさを体験してきました。

   野曽原友行
   千葉大学高大連携企画室
   tel:043-290-3526
   fax:043-290-3962
   E?mail:t-nosohara@faculty.chiba-u.jp



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