千葉大学|高大連携企画室

 

     
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千葉理数教育高大連携ニュース NO.35(2010.8.24)

【1】「第4回高校生理科研究発表会」の受付が始まりました
【2】JSECまたは日本学生科学賞に応募しませんか?
【3】SSHの「生徒研究発表会」が開催されました(市川学園高校と長生高がポスター発表賞受賞)
【4】「物理チャレンジ」千葉高の中野友貴君が銀賞受賞
【トピックス】人工合成ゲノムで新種細菌増殖
【編集後記】

 
 

【1】「第4回高校生理科研究発表会」の受付が始まりました

 夏休みも残りわずかとなりました。この夏の研究成果はいかがだったでしょうか。
  さて高大連携企画室が行う最大のイベントである「第4回高校生理科研究発表会」の 受付が、本日8月24日(火)から開始されました。
  申し込み方法等の詳細や発表会の日程等につきましては、当室が各学校等に配布したリーフレットや前回の高大連携ニュースNO.34でもご案内いたしましたが、再度概略を掲載いたします。

  問い合わせ先:千葉大学高大連携企画室 043-290-3526
  募集要項等につきましては高大連携企画室のホームページでもご覧いただけます。

   http://koudai.cfs.chiba-u.ac.jp/society21/oubo.htm

  1 応募期間:8月24日(火)〜9月2日(木)
  2 発表会開催日:9月25日(土)
  3 発表会場:千葉大学西千葉キャンパス けやき会館
  4 当日の日程(予定)
  (1) 8:30〜 9:00 受付(発表会場で)、発表準備
  (2) 9:00〜11:00 グループAポスター発表
    11:00〜11:50 昼食・休憩
  (3)11:50〜13:50 グループBポスター発表
  (4)14:00〜15:30 講 演
   「筋電位計測システムの開発とその応用」 西田 惇(筑波大学理工学群1年)
   「研究者は世界で活躍できる!」 丸  幸弘((株)リバネス代表)
  (5)15:30〜16:40 表彰式・講評・集合写真撮影
  (6)17:00〜19:00 指導者等交流会
    審査委員の先生方や指導に当たられた先生方など本研究発表会関係者の希望参加です。
  大勢の方々のご参加をお待ちしております。 会費は2,500円です(後ほど参加の有無をメール等で
  お伺い致します)。

  注)発表グループの配慮について
   遠方の高校の場合は、会場への到着時刻等を考えグループBとするような配慮が可能です。
 高大連携企画室(事務局)へ事前にご相談下さい。

 
 

【2】JSECまたは日本学生科学賞に応募しませんか?

 とくに「第4回高校生理科研究発表会」に応募してくださる先生方へ。せっかく苦心してまとめた研究です。生徒たちのさらなる飛躍のために、JSECまたは日本学生科学賞にも応募されてはいかがでしょう(両方に応募することはできません)。
 JSEC(ジャパンサイエンスエンジニアリングチャレンジ)の受付は9/1〜10/6まで。アブストラクト、研究内容(A410枚以内)などを郵送にて受け付けます。詳しくはJSECのホームページをご覧ください。JSECは朝日新聞社の主催で歴史は2003年からと新しく、応募方法も比較的簡単でいきなり全国審査となります。優秀な3点がISEF(国際学生科学技術フェア)へ派遣されます。
 一方の日本学生科学賞は各都道府県の地方審査があり、千葉県は10/6に総合教育センターに直接搬入・受付となります。すでに県教委を通じて各校に「千葉県児童生徒・教職員科学作品展実施要項」が送られていますので、応募方法等ご覧になってください。日本学生科学賞は読売新聞社の主催で、1957年に創設された最も伝統のある科学自由研究コンテストです。かなり大部な論文やパネルを提出するのが通例で、準備がややたいへんですが、地方審査の表彰が受けられる点で、JSECより励みになるとも言えます。全国審査を経て、やはり優秀3点がISEFに派遣されます。
 2003年にJSECが創設されてから両者はISEFの成果を競い合い、高校生の研究レベル向上にとてもよい影響を与えています。実際ISEF代表に決まってから派遣まで約4ヶ月間の対応は実に綿密で、とくに研究指導してくださる大学の先生方の熱意には頭が下がります。
 言葉は悪いですが、どんなことも「ダメもと」です。やってみなければわかりません。ぜひこの代表的な二つのコンテストのことを生徒たちに話し合わせ、挑戦させてほしいと思います。

 
 

【3】SSHの「生徒研究発表会」が開催されました(市川学園高校と長生高がポスター発表賞受賞)

 去る8月3日〜4日「パシフィコ横浜」において、今年度SSHの生徒研究発表会が開催されました。私、野曽原は初めての参加。少しワクワクしながら行ってまいりました。
 開会式後、2008ノーベル物理学賞の益川敏英先生による講演「若者をかりたてる力」。独得のユ
ーモアを交えて約1時間話されました。私がいちばん印象に残ったのは、「1つの学問を徹底的に極
めなさい。そうすれば科学全般への信頼感が高まり確信が持てるようになる。しかしそれだけでは足
りない。違う世界もあるのだ。1.5を学びなさい。すると1がよりいっそう分かるし、2も3も見えてきます」という言葉でした。「専門家になれ、しかし広い視野に立つために1.5を身に付けよ」。ノーベル賞科学者ならではの言葉だと感じました。
 続いて、平成20年度の指定校13校による口頭発表が4つの分科会に分かれて行われました。私は第1分科会(化学分野)に参加しましたが、さすが各指定校の代表研究だけあって4校ともよくまとまった切れ味のよい発表でした。
 午後は118校が一堂に会してのポスター発表。118というと、私たちの「第3回高校生理科研究発表会」とちょうど同数ですが、広々とした展示ホールがうらやましい。内容も「理科研究発表会」同様、
「すごい!」から「ちょっとどうかな?」までいろいろでしたが、高校生の目の輝きには素直に感激しま
した。しかし3時間回ってもプレゼンを聞けるのは20校がやっとです。
 翌日は、昨日の口頭発表の第1〜第4分科会の代表4校と、ポスター発表の代表5校(参加者の
投票で決定)が大ホールにて発表を行いました。発表のみごとさもさることながら、あの数千人の会
場で間断なく、堂々と挙手して質問し、また即座に手際よく答える高校生たちの知性とたくましさに
圧倒されました。
 そして表彰式。13校の口頭発表から選ばれる、栄えある文部科学大臣表彰は、兵庫県立神戸高
校の「数理生態学に基づく感染症の流行予測〜感染症モデルの構築と数学的考察」に決まりました。
嬉しかったのは、ポスター発表賞18校の中に市川学園高校と長生高校が選ばれたことです。来年、再来年のさらなる発展がほんとうに楽しみです。
 初日の開会式の冒頭、文部科学省の挨拶で「私たちは何かと批判されることが多いのですが、このSSHだけはみんなからほめられる自慢の仕事なんです」と話されましたが、なるほどその通り。高校生たちのみなぎる知性とエネルギーに感動し、つくづく来てよかったと思える2日間でした。

(千葉県からのポスター発表賞) 
市川学園高校「炎の電気的性質」森本武尊 高山翔 田嶋海南人
長生高校「巻き貝の数学的研究〜化石の変形過程解明へのステップとして」河野隆史

 
 

【4】「物理チャレンジ」千葉高の中野友貴君が銀賞受賞

  「物理チャレンジ」とは「全国物理コンテスト」(今年第6回)であり、「国際物理オリンピック」の日本予選会
でもあります(千葉県の会場は千葉大学です)。
 前号NO.34で当室の花輪知幸室長から報告されましたように、今年から千葉大学は「物理チャレンジ応援団」を結成し、千葉大学に飛び入学した学生たちを講師として高校生の物理チャレンジを応援してまいりました。
 そして8月1〜4日、岡山県で開催されたコンテストでは「応援団」に参加した県立千葉高3年の中野友貴君がみごと銀賞を受賞しました。申し込み者全国999名の中、7名の金賞には入れなかったものの、12名の銀賞を獲得したことはほんとうにすばらしいと思います。
 なお千葉県からはほかに暁星国際高校3年の鈴木仙里さん、東邦大付属東邦高2年の福永健悟君が第1
チャレンジ実験優秀賞を受賞しました。

 
 

【トピックス】人工合成ゲノムで新種細菌増殖

 3ヶ月ほど前の「人工生命、完成見えた」というニュースを覚えていらっしゃいますか。今回はそれについてまとめてみました。
 「人工生命」には3種類あるそうです。第1は「ソフト」と呼ばれ、コンピューター上でシミュレートされ
た生命形態で、これを増殖・進化させて研究します。第2は「ハード」でこれはロボットです。そして第
3が「ウェット」で、今回のニュースのような合成生物学によるものです。
 主役はクレイグ・ヴェンター博士(63)。ベトナム戦争に衛生兵として従軍し多くの若者の死を目の当たりにしたことが、生命研究への関心を深めたと言います。彼がモデルにしたのは、家畜の体内に存在するバクテリアであるマイコプラズマ・マイコイデス。この細菌は地球上で最小のゲノムを持つことがわかったからです。と言っても合成したゲノムは108万塩基対という膨大な数です(因みに人間は30億塩基対 )。人工DNAを合成する会社に発注して約1000塩基対ずつの断片を多量に作らせ、それを大腸菌と酵母を使ってつなげることに成功しました。よくもつなげ方を間違えず、また途中で切れないものだと感心してしまいます。
 この合成ゲノムを近縁のマイコプラズマ・カプリコルムというバクテリアのゲノムと入れ替えたところ、もとのマイコプラズマ・マイコイデス(の新種)がどんどん増殖していったというわけです。
 既存のバクテリアの「殻」を使っての増殖なので完全な人工生命ではないし、「加工された微生物に過ぎない」と批判的にみる科学者もいますが、コンピューター上で設計したゲノムを合成し、新種のバクテリアが誕生することを示したのですから、事実上「新生物合成」が可能になったことは間違いありません。
 ヴェンダー博士らは、インシュリンや水素を合成するバクテリアの創造を念頭においているようですが、非常に毒性の強いウィルスやバクテリアの合成も可能なのですから、今後この技術をどう使い管理するのか、徹底した情報公開と話し合いが求められます。    
 合成生物学ではこのほか、脂肪酸などの膜の中でタンパク質分子を複製・増殖させる研究が進んでおり、「問題はできるかできないかではなくいつできるかだ」という段階に迫っていると言います。
 しかしこれらの「生命合成」が実現したら私たちは、生命というものの本質について「そうだったのか!!」と、目から鱗が落ちる体験ができるのでしょうか。素人ながら私はそうでもないような気がするのですが・・・・??

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【編集後記】

 開始から来年で10年になるSSH、初年度の生徒たちはちょうどドクターコースの年齢です。結果が出るにはまだまだとても早過ぎますね。あと20年続けるとどうでしょう。四十代後半の科学者たちがそろそろ頭角を現してくる頃でしょうか。このように教育とは30年、40年という非常に長いスパンで成果を考えるべき営みです。だから決して途中で打ち切りなどしないで、SSHのいっそうの充実発展を求めたいと思います。「ノーベル賞はどうなるかな・・・?そんなすばらしい成果が見えるときまで長生きしたいものですね」。いっしょに「SSH生徒研究発表会」に参加した当室の五十嵐和廣との会話でした。

 野曽原友行

千葉大学高大連携企画室
tel:043-290-3526
fax:043-290-3962
E-mail:t-nosohara@faculty.chiba-u.jp



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