【1】千葉県科学作品展科学論文の部(高等学校)受賞者発表
平成24年度千葉県児童生徒・教職員科学作品展の受賞者がこのほど発
表されました。そのうち科学論文の部(高等学校)の受賞者は以下の通り
です。これら特別賞6件は、「日本学生科学賞中央審査」へと進みます。
・千葉県知事賞
「殻無し卵孵化への挑戦!−誕生−」
(県立生浜高等学校 生物部)
・千葉県教育長賞
「化学発光の反応機構についての研究とその応用」
(市川高等学校3年 宮田 舞子 豊田 裕衣 笹井 晴太)
・千葉市教育長賞
「アリグモの擬態に関する研究−クズの生態系内における異種個体群の
関係からの一考察−」
(専修大学松戸高等学校3年 吉次 由美子)
・千葉県高等学校教育研究会理科部会長賞
「PVAとヨウ素による色の変化とその応用」
(県立船橋高等学校2年 禅野 光 阿部 泰己)
・千葉県総合教育センター所長賞
「塩田川の生物と環境に関する研究U」
(県立大原高等学校 生物部)
・千葉県高等学校教育研究会理科部会長奨励賞
「市原市瀬又〔下総層群藪層〕から産出した微小貝について−微小貝の
古水深指標としての有用性を探る−」
(県立千葉高等学校1年 田中 堯)
優秀賞、優良賞を含む受賞者の詳細は以下をご覧ください。
http://db.ice.or.jp/kagaku/htdocs/?action=common_download_main&upload_id=3164
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【2】国際科学オリンピックの結果など
本年度の科学オリンピックの結果がすべて出そろいました(科目の後の( )は代表人数、金、銀、銅の後の( )は昨年の人数)。
金 銀 銅
物理(5)・・・2(3) 3(2)
化学(4)・・・2(1) 2(3)
生物(4)・・・0(3) 4(1)
地学(4)・・・1(1) 3(2) (1)
数学(6)・・・0(2) 4(2) 1(2)
情報(4)・・・1(1) 3(3)
地理(4)・・・0(0) 0(0) 1(0)
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合計・・・・・・6(11) 19(13) 2(3)
メダルの総数は27で昨年と同じですが、金メダルが減ったのはやはり気になるところです。一喜一憂することではありませんが、来年に向けて是非頑張ってほしいものです。ちなみに今年度の国内コンテストのうち明
らかになった3科目の受験者数は以下の通りで(()内昨年)、順調に増加しています。
物理1116(983) 化学3202(3049) 生物3113(2453)
もう一つ気がかりな出来事は、本年度のISEF(国際学生科学技術フェア)で日本の高校生のグランドアワード入賞者がいなかったこと。これはたいへん珍しいことです。様々な要因があろうかと思いますが、こちらも来年度の挽回を期待します。
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【3】「千葉大学化学教育懇談会」のご案内
2012年の化学教育懇談会を下記の要領で開催いたしますので、ご参加下さいますようお願い申し上げます。
今回は、「なのはなコンペ2012(学生版)」で受賞した2名の大学院生の講演を行います。その後、市立千葉高等学校の太田和広先生にSSHの実施状況、最後に大学院工学研究科の梅野太輔准教授に「Bioenergy」に関する最新の研究成果を紹介していただきます。
講演後、懇親会を準備しております。講演会と懇親会の参加費は、どちらも無料です。交通費の補助もあります。奮ってご参加いただければ幸いです。
記
日時:2012年12月18日(火)
講演 17:00〜18:40
懇親会 18:50〜20:00
場所:工学部1号棟3階視聴覚教室
(JR西千葉駅から徒歩3分。千葉大学の南門を入ってすぐ右手に見える5階建ての建物が1号棟です)
参加費・懇親会費: 無料
<プログラム> 講演時間には質疑応答も含む
17:00〜17:30
なのはなコンペ2012(学生版)受賞者の講演
17:00〜17:15 内山翔一朗 (千葉大学大学院工学研究科博士前期課程2年)
「微粒子担持ハイブリット繊維による雨どい水からのセシウム除去システムの提案」
17:15〜17:30 杉山まい (千葉大学大学院工学研究科 博士前期課程2年)
「“超”超純水を製造するためのレアメタルに依存しない不純物分解用繊維の開発」
17:30〜18:00 太田和広 (市立千葉高等学校 教諭)
「市立千葉高等学校におけるSSHの実施状況」
18:00〜18:40 梅野太輔 (千葉大学大学院工学研究科 准教授)
「Bioenergy」
18:50〜20:00 懇親会
参加申し込み締切日:2012年12月11日(火)
参加申し込み方法:
以下の情報を星 永宏までE-mail(hoshi@faculty.chiba-u.jp)でお送り下さい。
・お名前・学校名
・懇親会の出欠
・交通費補助の要・不要
担当者:
千葉大学大学院工学研究科共生応用化学専攻 星 永宏
E-mail: hoshi@faculty.chiba-u.jp
Phone&FAX: 043-290-3384
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【4】サイエンススタジオCHIBA ホームページリニューアルのお知らせ
サイエンススタジオCHIBAのホームページが新しくなりました。講座の案内、講座の申し込み、会場への交通アクセス等、わかりやすくそして便利になりました。サイエンススタジオCHIBAが、大学外で開催するイベン
ト情報も満載です。ぜひ一度、リニューアルしたホームページをご覧になって下さい。
新ページ http://ssc.e.chiba-u.jp/index.html
なお、旧ページも今まで通り、ご覧になれます。気象災害などによる緊急の情報はこちらのページで連絡することがありますので、ご留意ください。
旧ページ http://www.edu.chiba-u.jp/ssc/index.html
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【編集後記】
何のために理科を勉強するのかについて、ノーベル賞化学者の鈴木章さんは「資源小国が生き残るには付加価値の高い物を作るしかない。他国にはまねのできない技術力の高い物を。そうした物を生み出すために、ぜひ理科を学んでほしい」と答えました(8/13朝日)。次世代日本の科学技術の発展を担う人材育成であり、きわめて大切なことです。
一方、科学哲学者の戸田山和久さん(名古屋大学)は、「科学技術時代を生きる市民にとって、科学の内容と区別した意味での“科学とはどんな活動か” の知識はきわめて大切だと思うのです。なぜならそれこそが、科学者にならない市民にとって、おそらく唯一使い道のある知識だからです」
と述べています(『科学的思考のレッスン』NHK出版新書)。
さらに戸田山さんは、そのような「科学リテラシー」の中でも、「問いを立てられるかどうか」「何が考えるべき問題なのか」を決める能力(フレーミング)が、よりよい社会実現のために最も重要だと言います。
さて、「何が考えるべき問題なのか?」は「課題研究」の手法そのものであり、私たちが指導上いちばん苦労し、力を注いでいるところです。そして生徒たちは「課題研究」を進める過程で“科学とはどんな活動か”を最もふさわしい形で体得してゆくのだと思います。科学者や技術者、理科教育者を目指す者にとってはもちろんですが、「科学技術時代を生きる市民にとって」理科教育、とりわけ「課題研究」の指導が大切なことを再認識させられます。
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野曽原友行
千葉大学高大連携企画室
tel:043-290-3526
fax:043-290-3962
E−mail:t-nosohara@faculty.chiba-u.jp
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