千葉大学|高大連携企画室

 

     
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千葉理数教育高大連携ニュース NO89(2015.2.1)

【1】旧「高大連携企画室のWebページ」を更新しました
【トピックス】中谷宇吉郎先生作、「霜柱の研究」について、の紹介
【編集後記】


 



【1】旧「高大連携企画室のWebページ」を更新しました

  千葉大学高大連携企画室は、2013年4月に「千葉大学高大連携専門部会」 へ
と名称変更されましたが、Webページの変更ができずに、これまで「高大連携
企画室」と「高大連携専門部会」の名称が混在していて混乱したことと思います。
  そこで、旧「高大連携企画室Webページ」を混乱を避け見やすく、使いやす
いものにする目的で、デザインなどを一部変更しました。主な変更点は次の通り
です。

@ 高大連携企画室のWebページ内で使われていた「高大連携企画室」の名称
  をすべて「高大連携専門部会」に変更しました。
A Webサイトの名称を「千葉大学|高大連携専門部会|ホームページ - 千
  葉大学先進科学センター」に変更しました。
B URLを http://www.cfs.chiba-u.jp/koudai/ に変更しました。

  名称変更に伴う混乱や誤解に対しあらためてお詫び申し上げます。


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【トピックス】中谷宇吉郎先生作、「霜柱の研究」について、の紹介

  雪の結晶の研究で有名な物理学者・中谷宇吉郎先生の書いた、「霜柱の研究」
について、という文章をご紹介します。
青空文庫より http://www.aozora.gr.jp/cards/001569/files/53240_49760.html



  この文章は先生のもとへ送られてきた5、6人の女子高生たちの共同研究が載
った本を読んだときの感想と評価が書かれたものです。この研究の概略は次の通
りです。

  初めに霜柱の水分が空気中の水蒸気から来たものか土中の水が凍って伸び出る
ものかという疑問を出し、霜柱の発達の途中で印をつけておくと、その印が伸び
上ることから土中の水が凍ってのび出るものだということを確かめた。次に土の
表面からどれ位の深さまでにある水が霜柱になるかという疑問を出し、色々な深
さのブリキ缶を埋めてその中に霜柱を立たせることによって簡単に解決している。
次に霜柱の成長速度と土中の水分との関係を調べて霜柱の成長に最適な状態とは
何であるかという疑問についての考察をした。そして土中の水分が多いこと、気
温が低いこと、地中の温度が高いことが必要であろうという考えで実験を進めて
いる。次に研究は実験室内で人工霜柱を作るという方向に向いて、木箱の底に土
を入れ、上にドライアイスを入れた箱を置いてみたら立派に霜柱が立った。次に
霜柱は土以外に他の適当な粉に適当に水分を含ませたらそれでも出来るかをみる
ために、ベンガラの粉、でんぷん類、ガラスを砕いた粉などを用いて実験して、
土以外のこれらの粉では霜柱が出来ず、粉全体が凍ってしまうということを認め
ている。次に土といっても砂や粘土ではやはり霜柱は出来ず、関東平野にある赤
土に限っているということを確かめ、赤土に限ってなぜ霜柱が出来るかという問
題にとりかかっている。次に赤土の特性として、その粒子の吸着水や赤土に含有
されている有機物のためかも知れぬという疑問を出し、それでもないという結論
を得ている。結局、問題は赤土の性質そのものに帰した、そして赤土を細い粒子
と粗い粒子とに分けてとり出し、その各々について霜柱を作ってみた。そして粗
い粒子では霜柱が出来ず、微粒子の方では出来る場合と出来ない場合とがあると
いう結論に達した。とにかく霜柱の出来るために必須な条件は、微粒子が存在す
ることであるという重大な結論を得たのである。次に出来る場合というのは、土
の表面に小凹凸があって、その中のとがった点から凍り始めた場合であるという
ことを確かめている。コップの中に水を一杯入れてその上に浸るように濾紙を載
せ、その濡れている濾紙の上に赤土を少量まいておくと、その土から立派に霜柱
が出来るということを確かめ、霜柱の成立いかんは土の表面の性質によってきま
るという結論を得ている。それで前には出来なかった砂、ガラス粉などについて、
更に乳鉢ですって粒を非常に細かくし、表面に適当な凹凸を作ることによって立
派に霜柱を作っている。更に自然の霜柱について、なぜ赤土が最適であるかとい
う考察をしてこの研究は終っている。

  中谷宇吉郎先生はこの研究の流れに沿って随所で研究の解説と評価をしていて
最後に次のようにまとめている。

  こういう研究が出来るというのは、第一にそして一番重要なことは純粋な興味
を持つということである。第二には厳寒の二月、仙石原で徹夜するという程度の
熱心さを持つことである。第三には思い付いたことを、おっくうがらずにすぐ試
みてみる頭の勤勉さを持つことである。第四には偶然に遭遇した現象をよく捕え、
それを見逃さぬこと、即ちいつも眼を開いて実験をすることである。第五には新
しい領域の仕事を始める時にこわがらぬことである。この研究者たちが土の分析
に手を付けた時のように平気で始めることである。それには余りに多くの知識と
打算とが一番邪魔になる。第六には妙にこだわらぬこと、これは何でもないよう
で、その実なかなか難しいことである。そして以上述べた事以外に、研究の全体
を通して或る直観的な推理を働かすことである。
  寺田先生の何かの本に「嗅ぎ付ける力がなくては本当の研究は出来ない」とい
う意味のことが書いてあるが、心得ておくべきことである。この霜柱の研究には
到る所にこの直観的な推理が躍動している。私はこの直観的な推理は、既知の知
識の集積から来るものではなく、現象に対して持つ興味の純粋さから来るものと
ぼんやり考えていたが、今その実例を見て非常に喜ばしく思っている。この霜柱
の研究者たちが、いつまでも色々な現象に対して、常にこの研究にあらわれてい
るような気持ちを持っていかれることを願う次第である。

  この文章は高校生の研究を指導する者にとって大変示唆に富むものと思います。
是非上記のURLに掲載されている文章をお読みいただき高校生の研究を指導さ
れる上での参考にして頂ければ幸いに思います。
  また、2015年3月発行、小泉治彦著「理科課題研究ガイドブック 第3版」に加
え、2012年3月発行、課題研究指導サポートブックもあわせて手にとって読まれ
てはいかがかと思います。

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【編集後記】

  皆様、FT243という物をご存じですか。少し大きいキャラメルに足が2本、
ここまで聞いて昔を思い出した人は相当なご年配の方とお見受けします。今から
ざっと45年程前に秋葉原で売られていた水晶振動子です。当時高校生だった私
はこれを購入、分解して中からスリガラス状の薄い水晶板を取り出し砥石で研い
だものです。水晶板はその大きさや形で決まる固有振動数が決まっていて、目的
の周波数の発振をさせるために砥石で研ぎ周波数を合わせたのです。しかし、研
ぎすぎて振動数が高くなってしまうと、もう元には戻せません。そのようなとき
に活躍するのが赤チン、これを塗るのです。赤チンの成分が付着し質量の増加し
た水晶板は固有振動数を少し下げます。いかにもアナログですね。
  NHKドラマ「花子とアン」の中で兵士がロッシェル塩の結晶を得るためにワ
インを調達するシーンが有りました。この結晶も水晶と同様に圧電効果が有るの
で、発振器の振動子にしたりマイクやスピーカーとして利用できます。
  ロッシェル塩よりもリン酸二水素カリウムの方が扱いやすいと聞きますので、
結晶を作って、削って、マイクを作ってみませんか。





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御須 利

千葉大学高大連携専門部会
tel:043-290-3526
fax:043-290-3962
E-mail:misu@chiba-u.jp

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