千葉大学|高大連携企画室

 

   
       
                 

 



 
千葉理数教育高大連携ニュース NO106(2016.07.01)

【1】「第10回 高校生理科研究発表会」の講演者及び講演内容の概略(1)
【2】「君も物理チャレンジを!2016」物理講習会が開催されました
【3】市毛貴大さん(市立千葉高校3年)がISEF2016機械工学部門の1等を受賞
【4】「ひらめき☆ときめきサイエンス」のご案内
【編集後記】

 

 


【1】「第10回 高校生理科研究発表会」の講演者及び講演内容の概略(1)

題目: 「Pathways to Global Citizenship」
講演者: 株式会社 @アジア・アソシエイツ・ジャパン 代表取締役
正宗エリザベス 先生
内容:  The students of today are the global citizens of tomorrow. In
Japan, as in every other country around world, their dreams, aspirations,
and career choices will shape the next generation to come and the
societies we live in. The digital platforms that have now become such an
integral part of our daily lives have also made the world a "global
village", bringing all of us closer to each other and to opportunities
to extend our horizons beyond borders, cultures and geographies. We have
online friends that we would probably never have encountered a decade
ago, and we share our opinions, hopes and fears in real time with an
increasingly more globally savvy audience.
   For all this interconnectedness, the possibilities of tomorrow can
still appear quite overwhelming if we feel unprepared. What does it
really mean to be a global citizen in today's world? Which pathways
should we follow? What are the real skills that will define and shape
the journey that awaits? For all of the changes in today's volatile
global environment, these are perennial questions facing all young
students as they stand at the cross roads of life. They have always been
thus, and always will be. There are many thways to global citizenship -
this lecture will serve as a guide to some of  the signposts along the
way.

講師のプロフィール: English profile、 和文プロフィール
http://www.cfs.chiba-u.jp/koudai/happyoukai%20koen/Liz_Masamune_profile.jpg

http://www.cfs.chiba-u.jp/koudai/happyoukai%20koen/Liz_Masamune_profile1.jpg






題目: 「宇宙開発における私の経験と理科研究発表会で思ったこと」
講演者: JAXA 白水正男 先生
内容: 講演者は宇宙航空研究開発機構(JAXA)において宇宙や航空に関する研究
開発を行なってきました。また、昨年の理科研究発表会では審査委員を務めまし
た。講演では、JAXAにおける自身の研究開発活動の一部を紹介するとともに、中
学~高校でのサークルからJAXAにおける研究開発に至る講演者の経験に基づいて、
高校生の皆さんが“研究”について考えていっていただきたいことについてお話し
したいと思います。講演の前半では、講演者らが行なった極超音速飛行実験(
HYFLEX)などについて紹介します。HYFLEXは日本版スペースシャトルとも呼ばれ
たHOPEの開発に先立つ飛行実験のひとつとして行なわれたもので、我が国最初の
極超音速(最高マッハ数15)の揚力体の飛行です。HOPEの開発は残念ながら中断
しましたが、HYFLEXは、同様の飛行実験(IXV)が一昨年にヨーロッパ宇宙機関
(ESA)でも行なわれたことでも分かるように非常に先駆的な飛行実験でした。
講演では、機体の設計をどのような考え方で行なったかなど、写真の紹介などを
交えて身近に感じてもらえるように工夫しながらお話しし、再使用宇宙輸送シス
テムの未来についても触れます。後半では、講演者の中学~高校時代のサークル
活動やJAXAにおける研究開発活動を振り返りながら、昨年の理科研究発表会で発
表を見せていただいてすばらしいと感心したことや課題と思われたことなどを整
理し、これからのサークル活動や、研究者になるならないにかかわらず“研究心”
をもった若い皆さんに期待すること、考えていっていただきたいことなどをお話
しします。 



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【2】「君も物理チャレンジを!2016」物理講習会が開催されました

 千葉大学先進科学センターは、千葉市科学館とNPO法人物理オリンピック日
本委員会(JPhO)と共催し、高校生向け物理講習会「君も物理チャレンジを!
2016」を、5月8日から6月12日のうち4日間にわけて開催、中学生を含
めた31名の参加がありました。
 講習会は、大高一雄千葉市科学館館長のほか物理学を専門とする本学教授等が
講師となり、JPhOが実施する「物理チャレンジ」の第1チャレンジの過去問
を教材として、模試を解説する方法で授業が進められました。2日目の実験指導
では、JPhO近藤泰洋理事(元東北大学教授)、瀬川勇三郎先生(元理化学研
究所チームリーダー)によるシュテファン=ボルツマンの法則の検証実験、レポ
ートの書き方指導等が行われました。
 受講生の中には、「てこの原理を学校で習ったけれども、力の大きさを計算す
るのに、どうして掛け算を使うのですか。なぜ足し算ではいけないのですか。掛
け算と足し算の違いは何ですか。」といった素朴ではあるが奥の深い内容の質問
をぶつけて来る生徒や、「コンデンザーはただ2枚の金属板を並行においてある
だけの装置なのに一方の板に電気を流すと、他方の板から同じ量の電気が流れ出
す。板を平行に置いただけでくっ付いていないのに、電気が流れるのは不思議で
す。」と興味を持った生徒もいて、次世代を担う若き物理学者の誕生が期待され
ます。
 千葉大学は「物理チャレンジ」の成績優秀者に、先進科学プログラム(飛び入
学)の筆記試験免除を行っており、今後もこの講習会を継続的に開催する予定で
す。

 
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【3】市毛貴大さん(市立千葉高校3年)がISEF2016機械工学部門の1等を受賞

 米国アリゾナ州フェニックスで開催されたIntel ISEF 2016で、千葉市立千葉
高校3年市毛貴大さんが機械工学部門の1等を受賞し、さらに日本人では二人目と
なる部門最優秀賞(Best of Category)に選ばれました。市毛くんの行った研究は
「A Novel and Simple Power Saving Controller for Stepper Motors」という
ものです。
 まことにおめでとうございます。

 詳しくは以下をご覧ください。
http://isef.jp/news/2016/05/-intel-isef-2016grand-award-best-of-category.html


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【4】「ひらめき☆ときめきサイエンス」のご案内

 日本学術振興会主催の「ひらめき☆ときめきサイエンス」が夏休みを中心に行
われます。
 まだ申し込めるものもあると思います。詳細は次のURLをご覧ください。
https://cp11.smp.ne.jp/gakujutu/seminar



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【編集後記】

 人参の赤色や葉の緑色のもとになっているカロテンやクロロフィルの分子構造
を示した模式図を見たことがありますか。炭素の五角形や六角形から鎖が伸びて
いる格好をしています。これはまるでロッドアンテナを長く伸ばした無線機とそ
っくりです。クロロフィルbには酸素が一つ余分に付いていてクロロフィルaよ
りアンテナの長さが長くなっています。そのために、アンテナに閉じ込められた
電子のエネルギー状態が変化し、受信に適した電波の波長に変化が生じます。
 このアンテナで太陽からの電波を受信し、そのエネルギーを集光性複合体で集
めて水からプロトンを取り出し、二酸化炭素から炭素を取り出して糖を合成して
いるのだそうです。集光性複合体にはクロロフィルが3つくっついていて飛行機
の星形エンジンに似ています。
 「形の同じものならば、必ず現象としても同じ法則が支配しているものだ。形
の類似を単に形式上の一致として見逃すのは、形式という言葉の本当の意味を知
らない人のすることだ。」と寺田寅彦先生が言っています。先見の明のある人の
言葉にはどこか深いものを感じます。

文献 集光性複合体







   
   
   
 
   
 


   
 



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