千葉大学|高大連携企画室

 

   
       
                 

 



 
千葉理数教育高大連携ニュース NO.8(2008.01.11)

【1】県立船橋高校の高大連携の取り組み
【2】編集後記


 

【1】県立船橋高校の高大連携の取り組み

今回は、千県立船橋高校の曽野学先生に、船橋高校の高大連携の取り組み
について寄稿していただきました。以下は、曽野先生からの報告です。

     県立船橋高校の高大連携の取り組み

                    県立船橋高校 教諭 曽野 学

 県立船橋高校(普通科・理数科)では、大学出前授業、SPP講座、研究
指導等でさまざまな高大連携を行ってきた。特に今年度は、生徒の知的探究
心をより一層高めるべく、「物理・化学・生物・地学の4科目でのSPP講
座の実施」、「理数科2年生の課題研究での高大連携の導入」など、従来に
も増して積極的に高大連携に取り組んだ。また、今春には、千葉大学大学院
融合科学研究科の西川恵子先生による「超臨界流体についての出前講義」も
予定されている。このうち、課題研究と出前講義に関しては、千葉大学の高
大連携企画室を通じての事であり、上野先生、花輪先生、石井先生、小倉先
生、三門先生には大変お世話になっている。以下に、その辺りの状況も含め
て、本校の理科が行っている高大連携の取り組みについて述べたいと思う。

1 今年度のSPP講座での高大連携

 本校では、今年度SPPとして10講座(プランA)を企画し、既に9講
座を実施した。従来からSPP講座は行われていたが、今年度は物理・化学
・生物・地学の4科目で実施することになり、生徒達は色々な分野の講座を
受講できるようになった。講座の名称と連携先は次の通りである。

(1)海洋生物の分類と発生及び生態理解のための磯採集実習講座
     (お茶の水女子大学)
(2)セントラルドグマの理解とDNA解析のためのシーケンサー実習
     (東邦大学)
(3)植物組織培養の原理と実習および細胞融合の基礎実習 (千葉大学)
(4)Pglo実験キットを用いた遺伝子組み換え実習と理論および応用
     (千葉大学)
(5)DNAの働きと性質に関する実習と講義 (千葉大学)
(6)空からみた環境変動 (千葉大学)
(7)化石で探る古環境・古生態 (千葉大学)
(8)考える化学 (SSISS)
   SISSとは科学技術振興のための教育改革支援計画というNPO法人
(9)科学研究の手法を大学連携を通して学ぶ[物理分野] (東邦大学)
(10)比較形態・比較解剖の観点から考える動物進化へのアプローチ
     (防衛医科大学)

1校で10講座というのは全国最多であり、質・量ともに充実したものにな
ったと思う。本校には理数科が設置されているが、殆どの講座は普通科も含
めた全校生徒から参加を募っている。主に土・日を活用して、各講座とも3
回程度で行っており、参加者は概ね20名位である(実験・実習を伴うので
この位が適正な人数であろう)。SPP講座は書類の作成等で労力を要する
面もあるが、参加した生徒達の知的探究心は間違いなく向上している。来年
度も、物化生地のすべての科目で日程を調整しながら、理科全体として積極
的に活用していく方針である。なお、(7)「化石で探る古環境・古生態」
の詳細な実施状況が、「JSTニュース12月号」にSPP実践事例として
紹介されている。JSTのHPで御覧いただければ幸いである。

2 理数科の課題研究(物理・化学分野)での高大連携

 本校の理数科では、1年次に生物・地学、2年次に物理・化学の課題研究
を行っている。2、3学期に、生徒がグループ毎に研究するもので、我々教
員にとっても課題研究の充実は常に目標としているところである。今年度、
物理・化学の課題研究を実施していく上で、生徒達が必要に応じて大学の先
生方の指導・助言を仰げないかという話になり、本校が千葉大学との高大連
携理数教育重点校に応募したこともあり、高大連携企画室に相談をさせてい
ただいた。その結果、できる範囲内で協力していただけるという事だったの
で、連携企画室を通じて3つの研究について千葉大学の先生方にお世話にな
ることになった(指導・助言をいただいたのは、理学部の櫻井先生、工学部
の上川先生、連携企画室の三門先生である)。
  指導形態は、内容に応じて我々教員を通じて行う場合もあれば生徒達が直
接研究室で指導を受ける場合もあった。指導いただいた内容は、主に実験方
法や研究の考え方等で、必要に応じて測定機器の使用も可能というお話であ
った。これらを通じて生徒達は多くのヒントを得て、その後の研究に役立て
ている。研究はまだ途中段階であるが、とにかく一度でも大学で指導・助言
をいただくと、生徒達にはかなりプラスになるというのが実感である。大学
の先生方の御負担にならない程度に、来年度もお願いできれば有り難いと考
えている。(なお、東邦大学にも1研究で同様の指導・助言をいただいてい
る。)

3 出前講義、高校生理科研究発表会での高大連携

 SPP講座、理数科の課題研究での高大連携の他に、本年3月に行う予定
の企画として、千葉大学大学院の西川恵子教授による出前講義がある(本校
では文理各分野の先生による大学出前講義が年5回程度実施されている)。
西川先生は超臨界流体やイオン液体等の研究が御専門で、科学番組や新聞記
事等で以前からお名前は存じ上げていた。今まで本校との接点はなかったが
、連携重点校の関わりもできたので、連携企画室を通じて思い切ってお願い
をしたところ、多忙な日程の合間を縫って本校に来ていただけることになっ
た。先生の御厚意に感謝申し上げるとともに、講義を今からとても楽しみに
している。
  また、昨年9月の千葉大学主催の高校生理科研究発表会に、本校の地学・
化学系の部活動が合計4点出品した。未完成の研究でも気軽に参加できると
いうことで出品したのであるが、他の人達に自らの研究を説明することは生
徒達にとって良い経験となり、諸先生方からの助言はその後の研究の貴重な
指針となった。(発表会後、化学系の1研究については、連携企画室から園
芸学部の齋藤先生を紹介していただき、御指導を受けている。)

4 終わりに

 以上のように、本校では多くの高大連携が理科全体の取り組みとして活発
に行われ、生徒はさまざまな講座を受講することができる。今後も、高大連
携を活用しながら生徒にさまざまな分野の講座を開講し、沢山の学ぶ機会を
設けることで、更に充実した理科教育を目指したいと考えている。そのため
にも、千葉大学の高大連携企画室に御協力をお願いしたいと考えている。

 
【2】編集後記

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

 高校生理科研究発表会の後処理も一段落して、高大連携理数教育重点校に
応募してくださった高校へ表敬訪問をしています。協定書を交わすのが遅れ
ていますが、まもなくその運びになります。関係の高校にはご迷惑をおかけ
していますが、もう少しお待ちください。

 第2回高校生理科研究発表会は、平成20年(2008年)9月27日
(土)千葉大学西千葉キャンパスのけやき会館で行う予定です。そのうち、
正式な文書が届くでしょうが、早めにご予定ください。

 
 
 
 


 
 



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