千葉大学|高大連携企画室

 

   
       
                 

 



 
千葉理数教育高大連携ニュース NO.44(2011.5.20)

【1】田中 里桜さん(県立千葉高2年)がISEF3等賞
【2】千葉大学化学教育フォーラム6/15(水)の開催について
【3】県立柏高が再度SSH指定校・県立船橋校はコアSSH指定校に
【4】「物理チャレンジ」の講習会に参加して
【5】この夏のサイエンスイベント案内を作成中です
【編集後記】

 

【1】田中 里桜さん(県立千葉高2年)がISEF3等賞

  昨年12月、日本学生科学賞最終審査で日本代表に選出された田中里桜さんが、 5月13日、米国カリフォルニア州ロサンゼルスで開催されているIntel ISEF (国際学生科学技術フェア)において、「有孔虫による堆積古環境の推定」という研究により、地球科学(EARTH&PLANETARY SCIENCE)部門3等賞を受賞しました。前日のアメリカ地質研究所賞1等賞とのダブル受賞です。田中さん、千葉高校の先生方、まことにおめでとうございます。

詳しくは以下をご覧ください。
http://isef.jp/news/2011/05/intel-isef-2011-grand-award.html

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【2】千葉大学化学教育フォーラム6/15(水)の開催について

  千葉大学および日本化学会関東支部主催の高大連携理科教育推進のための化学教育フォーラムを開催いたします。化学教育にご関心をお持ちの多くの先生方のご参加をお待ちしております。

  千葉大学化学教育フォーラム
  日時:6月15日(水) 16時30分 より
  場所:千葉大学西千葉キャンパス(千葉市稲毛区弥生町1−33)
    工学部1号棟3階 視聴覚室
 (JR西千葉駅徒歩3分、南門を入って正面右手の建物)
  参加費:無料
  なお、フォーラム終了後に懇親会を予定しておりますので是非ご参加下さい。

  講演者
  1.千葉大学大学院工学研究科 阿保芙美奈、松丸晃久 修士2年生
    第3回テクノルネッサンスジャパン東レ賞 最優秀賞
    「温度応答性高分子を用いた砂漠の緑化大作戦」
  2.千葉大学理学研究科 東郷秀雄 教授
    単体ヨウ素を用いた環境調和型有機反応の開発
  3.千葉大学工学研究科 矢貝史樹 准教授
    高度に組織化された色素集合体の構築

  参加申し込み及び問い合わせ先
  千葉大学工学部共生応用化学科 佐藤智司
  (E-mail: satoshi@faculty.chiba-u.jp)

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【3】県立柏高が再度SSH指定校・県立船橋校はコアSSH指定校に

  県立柏高校は平成16年度から5年間のスーパーサイエンスハイスクールの指定を受けていましたが、今回2度目の指定となりました。期間は27年度までの5年間。研究テーマは以下のような内容です。

   「 Think Globally,Act Locallyを実践する未来の科学者の育成」
   地域内にある我が国をリードする大学・研究機関などの知の拠点と連携を図り、最先端の科学に
 触れ、世界的に活躍する科学者との交流により、地球規模の問題から身近な生活にいたるまでの
 科学の関わりや重要性を考察し、課題と真摯に向き合い、解決していくことができる未来の科学者を
 育成します。

  これで県内のSSHは現在、県立船橋高、市川学園高、長生高、県立柏高の4校となりました。ちなみに全国では現在145校が指定されています。

  一方、県立船橋高校は本年度コアSSHに指定されました。期間は25年度までの3年間です。コアSSHは、SSH指定校の中核としての機能の強化を図るため、文部科学省が平成22年度から行っている事業であり、今年度県立船橋高校を含め全国で20校が指定を受けました(現在合計29校)。
船橋高の研究テーマは以下のような内容です。

   科学的創造力のある人材を育成する全県的学校ネットワークシステムの開発
   「千葉サイエンススクールネット〜拓け!新未来!!〜」
未来を担う科学的創造力のある人材を千葉県から多数育成するため、小中高大の連携を強化した
ネットワーク型の全県的教育システムを開発します。

 その影響もあってか、今、県立船橋高校の理数科は「とても元気がよい」と聞きます。これから全県の理数科を中心とするネットワークシステムの開発に多大なエネルギーが注がれ、先生方のご苦労は並大抵ではないと思いますが、是非ともがんばっていただきたいと思います。

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【4】 「物理チャレンジ」の講習会に参加して

  千葉市科学館が主催して、館長の大高一雄、千葉大の花輪知幸、元東北大の近藤泰洋の各先生が講師を務める「君も物理チャレンジを!!」の講習会です。
  5/15(日)、その2回目の「実験問題」を見学してきました。中間テスト前のこともあって、申し込み12名のうち7名しか参加できなかったのは残念でしたが、たいへん充実した1日になったと思います。
  要するに「第2チャレンジ」の「実験問題」の過去問を1日かけてやるのです。
用意したのは @ プランク定数の測定実験 A 弦の振動 B 波の干渉実験  C 偏光(電磁波ベクトル)          D バネに働く力
  私はおもにB 波の干渉実験 を選んだ2年生に付いて見学しました。まだ波については、速度・波長・振動数の関係も何も全然知らない、とのことでしたが、好きこそものの上手なれ、15ページにわたる実験課題をじっくり読み(まずは国語力が大事だな!)、とくに分からないところは先生に聞きながら作業を進めていく姿に感心しました。
  午前と午後5時間にわたり、全部で5つある課題の「課題3」の途中まで進みましたが、ここで時間切れ。同時に実験の意味を理解することも困難になったようでした。
  「習っていないのに立派だったね」と、終わった感想を聞くと「充実感と同時に徒労感です。どっちかというと徒労感の方が大きいかな・・・」という応えでした。
でもカルチャーショックを受けてこそ人は成長していくのです。
 中には「実験問題」2つをほとんどやり遂げ「少し疑問の箇所が残りました」と述べる強者もいて、こういう生徒にはもっともっと高い課題を課す場があってもいいのでは、と思いました。
 今年は震災の影響もあって、「チャレンジ」の応募は減少するかと思われましたが、実際は2割アップの1202名に達しました(昨年999名)。その意味で9名しか応募できなかった千葉は正直残念ですが、今後ともご指導のほどどうぞよろしくお願いいたします。

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【5】この夏のサイエンスイベント案内を作成中です

 千葉大学では今年も各種のサイエンスイベントを計画中です。高校生の皆さんに科学の楽しさ、面白さを体験してもらおうというものですが、自然の謎解きにチャレンジする経験は自分をチェンジさせるきっかけにもなります。
 高大連携企画室では、千葉大学関係者が主催したり実施に加わる各種のサイエンスイベントを一覧にまとめて、リーフレットとして各高校へ配布する作業を進めております。県教育委員会からも大きなご支援、ご協力をいただき6月上旬にはお手元に届けられるよう準備しております。
 この夏を中心にした各種のサイエンスイベントに、多くの生徒たちが参加してくれることを願っております。

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【編集後記】

 5/13(金)、県立船橋高校の放課後のSS特別講座。
「水素で電気を作ろう」というテーマで、燃料電池を作製し、模型自動車を走らせる実験講座を開きました。
1年生を中心に定員48名が即座に埋まり、当日の欠席も0。開始10分前には全員が着席して私の登場を待っています。先生方のご指導は言うまでもありませんが、さきほど【3】でも触れた船橋高校理数科のエネルギーを感じました。
 燃料電池が自然エネルギーに直結したエネルギーシステムということもあってか、講義と実験への取り組みは真剣で立派でした(失敗した班の人たちの、いつまでも諦めきれない表情が心に残ります。やりなおす時間がなくてゴメン!!)が、いちばん感激したのは終了後の「質問攻め」です。
 「将来的に燃料の水素はどうやって得るのか 水素を得るのにもエネルギーが必要なのではないか」
 「燃料電池のパワー不足はどう補うのか」 「自然エネルギーは結局コスト高ではないのか 代替エネルギー開発よりエネルギー消費を減らすことがまず大切ではないか」といったエネルギー問題から、「なぜステンレスなど通常の金属表面では水素の電子をやり取りできないのか」 「触媒のパラジウムや白金はいったいどんなことをやっているのか」 「白金とパラジウムを混合するとどういうことが起こって、なぜ性能が上がるのか」といった世界中の科学者を動員しても答えられないような化学的な疑問。
 そして「なぜ安房高校化学部の人たちは燃料電池を研究したのか、なぜすばらしい発見ができたのか」と、これからの自分の研究計画に直結した質問まで出てきて、彼ら、彼女らのポテンシャルの高さに大いに圧倒され頼もしさを感じたしだいです。


野曽原友行

千葉大学高大連携企画室
tel:043-290-3526
fax:043-290-3962
E−mail: t-nosohara@faculty.chiba-u.jp


 
   
 
 
 
 


 
 



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