千葉大学|高大連携企画室

 

   
       
                 

 



 
千葉理数教育高大連携ニュース NO122(2017.11.01)

【1】 2017年第2回千葉大学化学教育研究懇談会のご案内
【トピック】 研究テーマの紹介(ボロノイ分割)
【編集後記】

 

 


【1】 2017年第2回千葉大学化学教育研究懇談会のご案内

 2017年第2回化学教育研究懇談会を下記の要領で開催いたしますので、ご参加
下さいますようお願い申し上げます。
 今回は、新進気鋭の下記の先生方に最新の研究成果を紹介していただきます。



日時: 2017年11月27日(月)
    17:00 ~18:30 講演会
場所: 千葉大学西千葉キャンパス・ベンチャービジネスラボラトリ・3階会議室

<プログラム>
1.   17:05~17:45 坂根 郁夫 教授 (千葉大学大学院理学研究院)
     「生体膜脂質代謝酵素ジアシルグリセロールキナーゼの基質多様性と
生理機能」
2.   17:45~18:25 原 孝佳 准教授 (千葉大学大学院工学研究院)
     「環境にやさしい物質変換を可能とする高機能固体触媒の開発 ~無
機アニオン交換体の特性を駆使した触媒設計~」

 
※       講演時間には質疑応答も含む

参加申し込み締切日:2017年11月20日(月)
参加申し込み方法:以下の情報を市原まで
E-mail(ichihara@chiba-u.jp)でお送り下さい。
・お名前
・学校名
・交通費支給希望の有無

担当者:
千葉大学大学院工学研究院共生応用化学コース
日本化学会関東支部幹事
藤浪 真紀
E-mail: fujinami@faculty.chiba-u.jp
Phone&FAX: 043-290-3503

詳細については、下記URLをご覧下さい。
http://www.cfs.chiba-u.jp/koudai/science%20event/2017kagakukondankai-2.pdf



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【トピック】 高校生理科研究のヒント(ボロノイ分割)

 ボードに穴をあけ、上から沢山の食塩を、ボードの周囲や穴からこぼれ落ちて
山ができるまで振りかけます。すると、やがて全ての山の周囲が安息角以下の傾
斜角となり、安定した形の山ができあがります。山の稜線に沿って線を引いてい
くと平面はいくつかの線分によって分割されます。 この山の形をコンピュータ
でシミュレーションしてみました。
 平面を50×50に分割してそれぞれのセルに20個から30個の砂を入れて
おきます(数値の20から30を入れておく)。
 平面上に幾つかの穴(数値の0を入れておく)を用意します。
 それぞれのセルの値と、そのセルの周囲との差が4以上の時は、その差が最大
になる向きに砂を移動させます。
 そのセルの値と、そのセルの周囲との差が4以上とは、安息角以上を意味しま
す。この差(角度)が最大になる向きに砂を移動させます。砂の量は傾斜角に比
例した量にします。
 そして、すべてのセルとその周囲の差(角度)が4未満(安息角)になったと
ころで計算をやめます。
 今回は50×50の分割で計算しましたが、より細かくしていくと、やがて自
然の山の形に近づくかもしれません。
 物体は最大傾斜角の向きに滑る、そして安息角に達すると止まる、という単純
な原則だけから、細かな部分部分の物理的振る舞いを再現し、その結果として自
然にできる形を説明しようというのが今回の私の考えです。
 実際の山の形から規則性を見つけ出し数学を作り出していくのではなく、より
少ない物理的原理からシミュレーションすると結果的に自然の姿が現れる、とい
うような研究方法も実践してみてはいかがでしょうか。

参考文献
実験数学読本 真剣に遊ぶ数理実験から大学数学へ、矢崎 成俊 (著)

エクセルVBAによるシミュレーション
http://www.cfs.chiba-u.jp/koudai/kenhinto/boronoi.xlsm

詳しくは下のURLをご覧ください。
http://www.cfs.chiba-u.jp/koudai/kenhinto/boronoi.pdf


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【編集後記】

 千葉県に硫黄温泉があるのをご存知ですか。ネットで調べてみると、君津の山
中、七里川のほとりに位置するそこは七里川温泉といいます。片雲の風にさそは
れて、漂泊の思ひやまず、一泊の用意をして早速現地へ行ってみました。
 実際に温泉に入ってみると、色は淡い黄色で確かに硫黄温泉独特の臭いが感じ
られました。ネットの情報ではpH7.9なので弱アルカリ性になります。
 また、この温泉の近くには昔、ニッケルや銅を採掘していた鉱山(鴨川鉱山)
も有ったとのことです。日本の銅鉱山は黒鉱が有名で、黒い鉱石の正体は、閃亜
鉛鉱、方鉛鉱、黄銅鉱などであり、それぞれ亜鉛や鉛、銅などの鉱石で海底へ噴
出した熱水から沈殿した硫化物などが起源であると考えられているとのことです。
 さらに、南房総にはシロウリガイ化石露頭があります。これについて調査して
いた地学の教員がシロウリガイは深海に住み硫化水素を栄養源としているとの話
をしていたのを思い出します。
 これらの点を結んで線とするような遥か悠久の昔から続く活動的な地球の営み
に思いを馳せながら彩り豊かな紅葉に囲まれた晩秋の宿を後にしました。

 



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