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「君も物理チャレンジを!2024」講座 実施報告書

令和6年5月30日
君も物理チャレンジを!2024運営担当者一同

「君も物理チャレンジを!2024」講座は、千葉市科学館(令和6年4月27日、4月28日)と千葉大学理学部(5月4日、5月6日)において対面形式で実施しました。今回もGW期間中の4日間として実施し、関東圏の受講者のみならず愛知県、香川県、長崎県などの遠方からの参加がありました。受講生からは、集中して勉強できた、物理が好きな仲間ができた、などの声が聞かれ、良い体験となったようです。実験講座では、レポートの書き方講習を行った後、1~2人ごとに実験装置を組み立てて測定を行い、各自レポートを作成してオンライン提出をしてもらいました。レポートは担当講師がコメントを付して個別指導を行いました。また、理論問題の講座では、受講生の学年や勉強の進度の違いに配慮して、習熟度別のクラス分けや、関連項目を解説するミニ講義の時間を設けて実施するなど、4日間にわたる一連の講座の効果をできるだけ上げるように工夫しています。単なる解答の答え合わせでは無く、基礎となる知識や考え方の習得を重視した指導となるように実施しました。今回の講座の概要と参加状況は下記の通りです。

講座の概要

目的

千葉県および近郊の高校生等で、物理チャレンジに応募し、さらには物理オリンピックへの参加を目指す意欲ある生徒の科学の能力を育成すること。

開催

千葉大学先進科学センター(主催)
千葉市科学館、物理オリンピック日本委員会、千葉大学理学部物理学科 (共催)

日時

令和6年4月27日(土)、4月28日(日)、5月4日(土祝)、5月6日(月休) 計4日間
各日とも 10:00開始、途中で小休憩や昼食休憩(1時間程度)をはさみ、16:30頃に解散。

内容

(1)物理チャレンジ第1チャレンジの理論問題(過去問)を使った演習とその解説
(力学、電磁気、熱・波動、現代物理に分類された4種類の問題)
(2)千葉大学PDL実験セットによる実験問題の実施、およびレポート作成についての指導
(光の干渉を用いた、波長の測定実験)

講師

井上 厚行(千葉大学名誉教授、千葉市科学館 館長)
中山 隆史(千葉大学名誉教授)
大栗 真宗、音 賢一(千葉大学教授)
花輪 知幸、秋本 行治(千葉大学特任教授)
橋本 稔克(千葉大学特任准教授)

運営事務

千葉大学高大連携支援室、千葉大学先進科学センター、千葉市科学館

受講料

無料

受講生

22名  (高校3年生3名、高校2年生10名、高校1年生8名、中学2年生1名)
(出身校所在地:東京都7名、千葉県 3名、神奈川県2名、埼玉県1名、茨城県 6名、愛知県1名、香川県1名、長崎県1名)

講座の実施状況

<4月27日> 第1回 参加者21名

千葉市科学館7階実験室で井上厚行 千葉市科学館館長、音賢一 千葉大学教授(高大連携支援室長)らによる開講式に続いて、物理チャレンジに関する全体説明、実験レポートの書き方の講義が行われた。その後、実験課題の概要説明があり「ヤングの光干渉実験による波長の測定」の実験に各自取り組んだ。参加生徒のほとんどが光学に関する実験は初めてであるだけでなく、高校でもまだ未履修の状況であったので、光の性質について物理の教科書で確認しながら実験を進めていた。指導には、千葉大学の教員に加え、大学院生3名のTAが担当し、生徒らはヒントや注意を受けながら皆熱心に実験を進めていた。午後の後半には、実験レポートの執筆を開始し、その場で様々なコメントを受けて書いていた。完成したレポートはオンラインで提出してもらい、第3回の折に講師がコメントを付して返却した。

<4月28日> 第2回 参加者21名

前日に引き続き、千葉市科学館7階実験室で実施した。力学に関する物理チャレンジの過去問題の解説・演習を行った。参加者の勉強の進度により、参加者自身に基礎コースと発展コースのいずれかを選択してもらい、各自の学習効果が上がるように配慮した。昼休みなどの時間には、千葉市科学館の様々な科学展示物に触れて楽しんでいた。

<5月4日> 第3回 参加者15名

第3回以降は千葉大学理学部で実施した。まず、レポートに共通して見受けられた注意点などを解説し、良いレポートにするための講義を行った。続いて電気回路や静電気に関する過去問題の解説を行った。昼休憩の後、午後には電流と磁場に関する問題を扱った。受講生の多くは、電磁気学分野は高校で学習していない時期であるため、各回とも問題の理解に必要な部分を中心に高校物理の教科書を用いてミニ講義を行いながら過去問題の解説に努めた。

<5月6日> 第4回 参加者16名

千葉大学理学部で実施した。午前中は熱力学についての過去問題の解説を行い、午後は波動と現代物理学に関する過去問題の解説を行った。今回の分野も受講生の多くは高校で学習していない時期のため、高校物理の教科書を用いた講義・解説をできるだけ交えた講義とした。
昼食休憩の時間中には、理学部2号館のサイエンスプロムナード(科学展示館)を訪れ、乱流屏風、巨大振子をはじめとする科学展示を千葉大学理学部の学生説明員による案内と解説で見学し、受講生からは活発な質問がされていた。また、理学部物理学科の実験系研究室の見学も行い物理研究の最前線を見学した。
全講義の終了後、閉講式を行い合計4回の講習会を無事終了した。

講座の実施風景

4/27 千葉市科学館での実験指導1 4/27 千葉市科学館での実験指導1
4/27 千葉市科学館での実験指導24/27 千葉市科学館での実験指導2
4/28理論問題(力学・基礎)講義
4/28理論問題(力学・基礎)講義
4/28理論問題(力学・発展)解説
4/28理論問題(力学・発展)解説
5/4 理論問題解説の事前講義(電磁気学)5/4 理論問題解説の事前講義(電磁気学)
5/4 レポート解説5/4 レポート解説
5/6 理論問題(熱力学)講義5/6 理論問題(熱力学)講義
5/6 千葉大学理学部サイエンスプロムナード見学5/6 千葉大学理学部サイエンスプロムナード見学
5/6 千葉大学理学部物理学科 実験室見学5/6 千葉大学理学部物理学科 実験室見学
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