組織概要
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センター長挨拶

千葉大学の先進科学センターは,国際的に活躍できる研究者,科学者を育成することを目的とした飛び入学制度である「先進科学プログラム」を実施,運営するために平成9年に設立されました。「先進科学プログラム」は,飛び入学試験を実施するだけではなく,飛び入学で大学に入学した学生の皆さんが,大学を卒業するまでの教育も行っています。

入学試験としては,高校2年生を対象とした方式I,方式II,および総合型選抜方式,高校3年生を対象とした方式IIIがあります。方式Iでは,考える力や発想力を問う問題を長時間かけて解いていただきます。方式IIでは前期日程の一般選抜を,総合型選抜方式では工学部デザインコースで実施している総合型選抜を3年生と一緒に受験してもらいます。また,工学部物質科学コースでは“研究活動発表型選抜”も開始します。これらの選抜に合格した人は1年早く大学に入学できます。方式IIIは国際物理オリンピックや国際化学オリンピックの日本代表選手に選抜されたことのある学生を対象とした面接による選抜を行い、高校3年生の秋から半年早く大学に入学することができます。このように,様々な能力を持つ個性的な学生を1年または半年早く受け入れるために,独自の入学試験を行っています。

入学後の教育プログラムとしては,進学する学部学科・コースのカリキュラムに加え,独自のセミナー科目や,海外語学研修の実施,専任の指導教員体制,専用の学生居室など,飛び入学生に対して手厚い配慮を行っています。このような「先進科学プログラム」では,現在,理学部(物理学科,化学科,生物学科),工学部(総合工学科全コース),情報・データサイエンス学部(情報・データサイエンス学科),園芸学部(応用生命化学科),文学部(人文学科行動科学コース)の5学部14先進クラスで飛び入学生の受け入れをしています。

日本における飛び入学制度は一般的にはあまり拡大しておりませんが、世界では多くの国で進められており、珍しいことではありません。千葉大学では全国に先駆けて飛び入学を実施し、多くの卒業生を輩出しています。また,飛び入学者が大学入学後に一定の単位を取得すれば高校3年の課程を修了したものと同等以上の学力を有することを認定する新たな審査制度が令和4年度に開始されるなど,飛び入学を後押しする制度が徐々に整えられつつあり、我が国においても飛び入学の意義について関心が寄せられています。

飛び入学を日本で一般的にするには,まだまだ課題があります。しかし,飛び入学者が大学入学後に一定の単位を取得すれば高校3年の課程を修了したものと同等以上の学力を有することを認定する新たな審査制度が令和4年度に開始されるなど,飛び入学を後押しする制度が徐々に整えられつつあります。先進科学センターでは,これからも一つずつ課題を解決しながら,「先進科学プログラム」を発展させていきます。一足早い大学での勉学に意欲を持ち,将来国際的に活躍できる研究者を目指す元気な若者に,ぜひ挑戦してほしいと思います。皆さんを心からお待ちしています。

2024年4月


千葉大学 先進科学センター長
加納 博文

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