第12回高校生理科研究発表会の報告
受賞者・要旨集
講演者・査委員・実行委員
平成30年9月29日、千葉大学体育施設を主会場として、第12回高校生理科研究発表会が開催されました。
受付前の風景
千葉県内はもとより、関東近県、遠くは福岡県、兵庫県、長野県、山梨県、北海道からも発表者が次々に到着しました。
好天に恵まれたとてもさわやかな朝、受付の30分以上前から千葉大学の体育館前には談笑する先生方や発表の打合せをする生徒さんたちでにぎわいました。
広々とした会場
参加者は、第1回から増加を続け、今年は359件の応募となりました。 ちょうどSSHの全国発表会のようにポスターの間隔が広々として、発表も移動・交流もスムーズに出来ました。
発表風景(1)
生徒たちや先生方との会話の中で、励まされ、研究発展のヒントが得られるのもこの発表会の大きなメリットです。
発表風景(2)
研究内容はもちろんですが、ポスターのできばえ、プレゼンテーション能力も評価のポイントです。
挨拶をする徳久剛史学長
徳久学長も時間の許す限り多くのポスターを見た感想などを含め、独得のユーモアを交えた語り口で挨拶しました。
講演会場
講演会場全体
講演会場
千葉大学大学院理学研究院 准教授 亀尾浩司 先生
約46億年という長い地球の歴史の中の、約77万年前から12万6千年前までの時代が、チバニアン(千葉時代を意味する)と呼ばれるようになるかもしれません。
現在、国際地質科学連合(IUGS)の中の小委員会が、千葉県市原市田淵周辺に見られる地層「千葉セクション」を下部ー中部更新統境界の国際標準模式地候補として認め、より上位の審査に進めるかどうかを審議しています。この講演では、研究チームの一員である演者が、チバニアンを理解する上での地球科学の基礎知識、国際標準模式地申請にむけてのこれまでの研究チームの取り組み、その地球科学的な研究成果、そして審査の状況について簡単な解説をしました。
講演会場
Wolfgang Brütting(ウォルフガング・ブリュッティング)教授
アウグスブルグ大学 物理学科(ドイツ)
半導体性を示す有機材料(有機半導体)の科学や背景、新しく広がりつつあるプラスチックエレクトロニクスの分野を紹介しました。有機発光ダイオード(有機EL)を利用したスマートフォンや大画面テレビ、有機太陽電池を用いた建物一体型太陽光発電モジュールなどの製品が市場に登場しており、有機半導体が応用に深く結びついていることをお話ししました。
講演会場
芝浦工業大学 准教授 奥田宏志 先生
グローバルな競争が進み、研究開発のスピードアップや新たな価値の創造が求められています。そのため、異分野・専門外の人たちや社会と積極的にコミュニケーションをとり、新たな価値を産む知識・技術を取り入れることができる人材の育成が求められています。課題研究を通して、こうしたコミュニケーション能力を身につけるための心構えやヒントについて、お話ししました。
最優秀賞授賞
テーマは、Detaching Cells from Cultivation Flask Using Acoustic Radiation Pressure Induced by Langevin Transducer
ランジュバン型振動子を用いた放射圧による接着性細胞の剥離
私立雙葉高等学校
田内葉奈子さんの研究です。
徳久学長も、賞状授与の際、惜しみない賛辞を送りました。
「特別賞」受賞の皆さん
最優秀賞のほか、千葉大学長賞、千葉県教育長賞、千葉市長賞、千葉市教育長賞など8つの「特別賞」が優れた研究に授与されました。
また、優れた指導をされた先生に贈られる「朝日新聞社千葉総局長賞」は、千葉県立佐倉高等学校 志賀 裕樹 先生
千葉県立船橋高等学校 小原 稔 先生に贈られました。
さらに、永年にわたり高校生理科研究発表会の運営にご尽力された6人の方々に「教育功労賞」が贈られました。