教育
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オムニバスセミナー 2009(H21)

開催日

4/24 (金)

時間帯 16:10-17:40
講師 中垣 俊之(北海道大学 電子科学研究所 准教授)
講演題目

「単細胞生物の情報処理能力」

要旨

単細胞のということばには「それほど賢くない」という意味もあるが、生き物としての情報処理能力はちゃんと持っている。簡単な幾何学的なパズルぐらいなら、解く能力があることがわかった。ほかにも簡単 な記憶もある。粘菌という生物を例に、どれほどの賢さをもつのか、またそれらはどのような仕組みでもたらされるのか、についてお話したいと思います。

会場 先進科学センター会議室 (理学系総合研究棟2階)
開催日

5/8 (金)

時間帯 16:10-17:40
講師 劉 浩千葉大学 大学院工学研究科 人工システム科学専攻 教授)
講演題目

「生物飛行の原理と昆虫型飛翔ロボット」

要旨

ジェット機は落ちても、昆虫は何故落ちない?人間は重量数百トンの大型ジェット機を時速1000キロで飛ばせることはできるが、昆虫や鳥のような自由な飛行は再現できていない。数億年間自然淘汰の結果、進化し続けてきた昆虫や鳥など、生物飛行の基本である羽ばたき飛行の原理に対して、コンピュータシミュレーションを用いて解き明かすことに挑む。これにより、新しい航空力学を開拓して昆虫規範型ロボットの開発を行う。

会場 先進科学センター会議室 (理学系総合研究棟2階)
開催日

6/5 (金)

時間帯 14:30-16:00
講師 益川 敏英京都産業大学教授)
講演題目

「対称性の破れ」

会場 自然科学研究棟 大会議室
開催日

6/19 (金)

時間帯 16:10-17:40
講師 加納 英明(東京大学 大学院理学系研究科 化学専攻 准教授)
講演題目

「生細胞を染めずに見る~振動分光を用いたアプローチ~」

要旨

生細胞中の動的生命現象を分子レベルかつリアルタイムで追跡することは,分子科学・生命科学双方における究極の目標の一つである。このような視点に基づいて、生細胞内で機能する分子の動的な振る舞いを研究する手法が開発され、実用化されている。このうち最も広く使われている手法は、蛍光色素や蛍光タンパク質による蛍光イメージングである。 しかしながら、この手法では試料自身に蛍光物質という異物を導入するため、細胞の本来の姿を忠実に描写しているか否かが問題となる。これに対して、ラマン分光などの振動分光法は、生細胞内の分子分布やその動態を、非染色・非接触・非侵襲・非破壊で観測することのできる、非常に強力な方法である。ラマンスペクトルは“分子の指紋”とも呼ばれ、分子の個性を鋭敏に反映する特性を持つため、細胞内の分子種、分子構造とそのダイナミクスについての詳細な情報を“ありのまま”の試料から抽出することが可能である。 本セミナーでは、ラマン分光と、それを用いた生細胞のイメージングについて紹介する。

会場 先進科学センター会議室 (理学系総合研究棟2階)
開催日

7/3 (金)

時間帯 16:10-17:40
講師 篠原 徹(人間文化研究機構 理事)
講演題目

「近代化と人類社会-エスノサイエンスの可能性-」

要旨

地球上の人類にとって、農業や漁業あるいは牧畜は生存のうえで不可欠な生業である。その農業や漁業あるいは牧畜が「工業化」しつつある。自然の多様性や人間のさまざまな文化の多様性を無視して、これらの生業が成立するのであろうか。20世紀的な物理化学的なものの見方は終焉を迎えようとしている。生業の技術とは、工学的な技術とは根本的に異なるものであり、その背景にはエスノサイエンスというそれぞれの社会の固有な自然観に基づく「生きる方法」があった。それは自然と共存可能な生活技術であり、行き詰まった西洋的な科学技術とは異なるものであり、私たちは価値観を含めて自らのありようを再考する必要がある。この講演ではエチオピア・コンソ社会と中国・雲南省で棚田に生きる人びとを紹介する。

会場 先進科学センター会議室 (理学系総合研究棟2階)
開催日

7/10 (金)

時間帯 16:10-17:40
講師 森田 隆二(北海道大学 大学院工学研究科 教授)
講演題目

「光とトポロジー」

要旨

電気的な波と磁気的な波とが連なった電磁波の一種である光について、その振る舞いを支配しているのは何でしょうか?まず、光の示すいろんな現象を概観することにより、光の振る舞いを支配しているものを考えます。
次に、その考え方を基に光を制御する方法に関して議論します。特に光の持つパラメータである位相や偏光を2次元的に制御すると、特異点を持つような光(トポロジカルな光)を作ることができます。トポロジカルな光について、その性質、発生の方法、物質との相互作用の観点から概観します。

会場 先進科学センター会議室 (理学系総合研究棟2階)
開催日

11/20 (金)

時間帯 16:10-17:40
講師 信原 幸弘東京大学 大学院総合文化研究科 教授)
講演題目

「認知とは何か―古典的計算主義とコネクショニズム」

要旨

われわれの心の働きには、いろいろなところで二重のシステムがあるように思われる。たとえば、視覚には、背側システムと腹側システムがある。背側システムは事物に対する身体的な働きかけに必要な無意識的な情報をもたらし、腹側システムは事物が何であるかを判断するのに必要な意識的な情報をもたらす。また、意思決定にも、直観的に意思を形成するシステムといろいろな事柄を熟慮して意思を形成するシステムがあると考えられる。このようないろいろな認知の二重システムを古典的計算主義とコネクショニズムという認知科学の二つの有力な認知観に関連づけて考察する。

会場 先進科学センター会議室 (理学系総合研究棟2階)
開催日

11/27 (金)

時間帯 16:10-17:40
講師 谷 忠昭 (富士フイルム株式会社 先端コア技術研究所 参事)
講演題目

「写真フィルム盛衰記―大学と企業での研究体験より―」

要旨

私は半世紀近くの間、大学と企業で写真フィルムの研究に従事してきた。その間に写真フィルムは黎明期から成長期を経て最盛期を享受し、衰退した。このような体験を基にして、一つの産業の盛衰とはどのようなものか、各々の段階で研究開発はどうあるべきか、そのような研究開発に大学と企業はどのように取り組むべきか、研究者の能力や特徴は年齢とともにどのように変わり上記の変化にどう対応すべきかなどをお話し、これから研究開発に取り組む若い人たちの参考に供したい。

会場 先進科学センター会議室 (理学系総合研究棟2階)
開催日

12/11 (金)

時間帯 16:10-17:40
講師 好村 滋行首都大学東京 大学院理工学研究科 准教授)
講演題目

「ソフトマター:物理・化学・生物の接点」

要旨

ソフトマターとは、高分子、液晶、両親媒性分子、コロイド、エマルション、生体物質、ガラス、粉流体などの物質群に対する総称である。ソフトマターの構成分子は比較的大きく、分子が自己集合したときに、ナノメートルからミクロン程度の、メソスコピックな内部構造が出現する点に最大の特徴がある。
ソフトマターは日常生活でも身近な物質であり、生物もソフトマターで構成されている。講演ではソフトマターの魅力や有用性を説明し、典型的な学際領域としてのソフトマター研究の一端を紹介する。

会場 先進科学センター会議室 (理学系総合研究棟2階)
開催日

2/19 (金)

時間帯 15:30-17:00
講師 Vladimir Yudson(東京大学物性研究所 客員教授、 Russian Academy of Sciences所属 )
講演題目

「Conductivity of Layered Systems: Delocalization by Disorder」

要旨

It is well known that the fundamental Anderson localization phenomenon is promoted by an increase of a disorder. The effect is more pronounced in low-dimensional systems. We exploit the competition between the increase of the disorder and the increase of the effective spatial dimension to understand an anomalously strong anisotropy of the conductivity of many layered materials - the phenomenon which cannot be explained by the band theory and the usual Drude model. Our model includes two kinds of the disorder: a "planar" disorder - due to the presence of randomly spaced ``wrong" planes, and a weak "bulk" disorder caused by isotropic impurities located randomly in the bulk of the material. The out-of-plane conductivity turns out to be of a non-Drude form, and this may result in a much stronger anisotropy of the conductivity than it follows from the band theory for systems with only a bulk disorder.

会場 先進科学センター会議室 (理学系総合研究棟2階)

過去のオムニバスセミナー

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