飛び入学
Early Admission

先輩からのメッセージ 2019年度 ― 研究者、科学者、起業家として活躍 ―

先進科学プログラムに飛び入学した学生は、選んだクラスに該当する学部・学科(理学部、工学部、園芸学部、文学部)に所属し、それぞれが定められた学士課程のカリキュラムを履修しますが、それに加え、先進科学プログラム独自のセミナーや研修に参加し、専任の指導教員のもとで研究者への道を歩んでいきます。

量子情報学の研究者として

中学時代に描いた物理学者への夢を実現!

カリフォルニア工科大学 量子情報及び物性研究所(IQIM)ポスドク研究員
加藤晃太郎さん

2008年、物理コースに飛び入学。2012年、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻に進み、修士号、博士号を取得。2017年から現職。

メッセージ

中学1年生の頃にブライアン・グリーン博士の『エレガントな宇宙』という本を読んで、「宇宙のありとあらゆるものに共通する素粒子の基本法則の研究に携わる研究者になりたい」と考えるようになりました。千葉大学の先進プログラム(飛び入学)を選んだのは、高校3年を受験勉強に費やすより、専門的な物理を学ぶ時間に充て、高校の科目にとらわれず学門の視野を広げたいと思ったからです。。

先進プログラムには意欲的に学ぶ学生が多く、興味が共通する仲間と自主的なセミナーを開きやすいですし、人数が少ないので縦横のつながりも強く、卒業後も頻繁に連絡を取り合いながら、自分の研究に役立てています。

千葉大学卒業後、東京大学大学院で修士号と博士号を取得。在籍中に参加したマイクロソフト社のインターンシップで知り合ったフェルナンド・ブランダオ教授に声をかけていただき、現在は、カリフォルニア工科大学量子情報研究所のポスドク研究員として量子情報の研究をしています。

量子情報は、ミクロな世界特有の法則を説明する量子力学と、現代のIT技術の根幹をなす情報科学を組み合わせた、新しい分野です。分野の大きな目的としては、量子力学の不思議な法則を使って、より早く計算したり、より安全に通信を行うこと、および、「情報」という新しい概念を用いて量子力学を見つめ直すことで、新たな物理を明らかにすることがあります。

純粋理論の研究で取り組むような問題は、誰も答えを知らないため、必ず解けるという保証がどこにもなく、時間をかけても徒労に終わってしまうことも多いのが難しいところですが、そのような困難を乗り越えられたときは非常に達成感を感じます。

世界最高水準の研究者たちと関わりながら多くの刺激を受け、研究者として自分にしかない強みを確立することが現在の目標です。

(2019年5月現在)

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